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コンクリートの劣化を防ぎ、いつまでも美しい建物にリフォーム その2
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コンクリートの劣化を防ぎ、いつまでも美しい建物にリフォーム その2

なぜコンクリート内部に雨が浸入するとコンクリートは劣化するのか?

健全なコンクリートは弱アルカリ性

コンクリートを積んで走っているミキサー車(正式名称はアジテーター車)をよく見かけると思いますが、コンクリートが固まらないように後ろに積んだタンクを回転させながら走っています。
アジテーター車が現場に到着すると、予め鉄筋が計画通り配置された型枠内にポンプでコンクリートを流し込みます。
(2005年の姉歯事件は簡単にいうと、この鉄筋の数を建築確認申請時より実際は減らしていた偽装事件です。)

数日後型枠を外して、内部に鉄筋の入った床や壁、梁などが形成されます。
これらがコンクリート住宅の心臓でもある構造体になるわけです。
実は型枠を外したこの時点からコンクリートの劣化は始まっているのです。

現在降る雨はpH値の高い酸性雨です。
ここ数年は中国が化石燃料(石炭や石油)を大量に燃やすことで、特に大陸からの風の影響をもろに受ける九州地方は、高い数値の酸性雨が降ります。
近年日本を騒がせている大気汚染物質PM25と全く同じ現象です。

pH(ピーエイチ~以前はペーハー)は、酸性・中性・アルカリ性を示す値で、左図のようにpH7を境にして数値が下がるとより酸性が強く、数値が上がるとよりアルカリ性が強くなります。

現在の雨はpH4.2~4.5と言われてまして、大変高い数値の酸性です。
打設したばかりのフレッシュコンクリートは、pH10.5~11.0 の弱アルカリ性で、これが健全なコンクリートのpHの数値です。

型枠を外した時点で、当然コンクリートは雨風にさらされることになります。
コンクリートはもともとセメントと砂利に水を加えることによって固まる水和反応物質で、固まったあとも水を吸収する性質があります。
すなわちコンクリートは雨を吸収しますので、健全なアルカリ性のコンクリートが徐々に酸性化していくということになるわけです。

さらに、コンクリート内部には鉄筋が入っています。
酸性化して脆弱になったコンクリートはより水を通しやすくなりますので、ゆくゆく雨が鉄筋に達するようになると鉄筋が錆びてしまい、鉄筋が膨張して爆裂現象を起こすことにもなります。

このようにコンクリートの天敵は水であり、現在の酸性雨です。
コンクリートへの雨の侵入は、健全な弱アルカリ性のコンクリートをどんどん酸性化させていきます。

外壁タイルの落下の原因も99%雨の侵入によるもの

コンクリートはセメント+砂利+水、モルタルはセメント+砂+水で、砂利(石)か砂の違いです。

タイルの目地はモルタルのため、雨を吸収します。

古くなった建物の外壁に張られているタイルが、部分的にはがれ落ちているのを見たことがありませんか?

この原因の大半は雨が目地モルタルから侵入し、年月を経てコンクリート内部の鉄筋まで到達し、結果鉄筋が錆びて膨張します。
鉄筋が膨張するとコンクリートを押しだし、タイルをはがし落とすことになるのです。

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