株式会社アイネックス 公式ブログ
中古住宅のリノベーション in 杉並区 漠然としてるイメージを形にするリフォーム計画
中古住宅リノベーションin杉並区 地下室は万全な湿気対策が必要~ドライエリア設置
アイネックス小池です
「中古住宅のリノベーション in 杉並区 漠然としてるイメージを形にするリフォーム計画」、リフォーム現場の進捗状況の続きです。
■リフォームプラン:地下平面図
もともとコンクリートは、セメントと砂利に水を加えることによって固まる水和反応物のため、水との相性がすこぶるいいので水をよく吸収する物質ということを前回書きました。
地下室立地状況 |
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このリフォーム現場の地下室は、左図のように地中に埋まっています。 型枠にコンクリートを流し込んでから、2~3週間ぐらいで型枠を外します。 形成されたコンクリートは表層が乾いていても、内部にはたくさんの水分が残っています。 コンクリートの水分が抜けきるのは、立地条件により異なりますが、おおよそ5年~10年かかると言われています。
コンクリート内部に残っている水分は、外部に面した地上階なら少しずつ外気へと蒸発していきますが、地下室の場合は水分を含んだ土に覆われていて外部からの圧力がかかるため、コンクリート内部の水分は外部へ抜けにくく、反対に室内側へ抜けようとする力の方が強くなります。
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上記の理由により地下室を造る場合は、万全な湿気対策が必要です。
もっとも効果があるのは、ドライエリアを設けて湿気を外部に逃がす方法です。
しかし建蔽率や容積率の関係で建てられる大きさに上限があるためあるため、建売住宅の場合は居住面積を広くすることに主眼を置いているので、とてもドライエリアなど設ける余裕はありません。
換気機能を充実させたり、除湿器を使用するのも効果があります。
しかし、このリフォーム現場の地下室には、唯一トイレ(納戸にリフォーム)に換気扇があるだけでした。
当然ながら24時間換気システムもありません。
エアコンは各部屋にあるので、除湿機能を使うのも効果があるのですが、使っていたのかは定かではありません。
次回に続きます...
建築コストをかけてまで、なぜ建売住宅に地下室を造ったのか?
建設会社が地下を造る際は、非常に神経を使います。
また、建築コストもかかります。
にも拘らず、どうして地下を造ったのでしょうか?
この住宅の構造は地下は当然RC(鉄筋コンクリート造)で、1階、2階は木造の建売住宅です。
地下は型枠にコンクリートを流し込み、型枠を造って床・壁・天井を継ぎ目のない一体構造で造ります。
そのため、非常に気密性や遮音性が高く、外部の騒音を遮って静かな空間を生み出します。
建築条件により3階建て住宅を建てることができないため、上に高くできない代わりに、建築コストをかけてでも
「地価がある住宅」として付加価値を付けて販売したのでしょうね。
地下室に対して、結露しやすく、湿気でムーとしているというイメージを持たれている方も多いと思います。
まさにその通りで、気密性や遮音性が高い反面、室内で発生した湿気を除去する措置を怠ると、結露やカビが発生しやすい環境になってしまいます。
今回のポイントは、建売住宅に付加価値を付けるために地下室を造ったという点です。
次回に続きます...