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固くて動かなくなったサッシをスムーズに動作させるリフォーム 緻密な計画を図面化

アイネックス小池です

「固くて動かないサッシをスムーズに動作させる」の続きです。
サッシ滑走リフォーム工事プラン図面
前回はここまでご覧いただきました。
開口部がポイントと言ったこともご理解いただけたと思います。

それでは、この戸車内蔵金物がどのようにサッシの溝に納まるのかをサッシ底部の図面でご覧いただきます。
■サッシ滑走リフォーム工事:サッシ底部プラン図面
サッシ溝の幅が20mmに対して、戸車内蔵金物は19mmなのでクリアランスは1mmです。
本当はジャスト20mmで製作したいのですが、45年前のサッシのため、部分的に変形している可能性があるので余裕をみてのことです。

次に戸車内蔵金物が縦方向はどのように納まるのか見ていただきます。
サッシ滑走リフォーム工事:プラン図面 断面図
このようにシビアな納まり方になります。
ここでのポイントは、戸車の滑車のセンターがサッシより2~3mm出ていないと意味がありません。
既存レールの芯と滑車のセンターが合っていませんが、滑車がレールに乗ってしまえば問題はありません。
サッシの溝幅が限られているため、ぎりぎり左に寄せて設置しても、どうしても芯を合わせることが出来ません。
図面ではかなりずれているように見えますが、実際のずれは1mm以下です。

このように与えられた条件をを加減し、乗除して得た緻密な計画を図面に変換して、初めて実行可能かどうかが判断されます。
たかが戸車の取付ですが、戸車をレールに乗せないことには成果が出ないので、一般的なリフォーム工事の図面より正確性が求められます。
このプラン図面に至るまで、何度か現場に足を運んではサッシをじっくり検証しました。
サッシには過去に手を加えた痕跡があり、それも3~4業者がいろいろな方法を試したもののようです。
しかしながら、滑走の問題は解決しないまま今に至っています。
おそらく行き当たりばったりで、頭の中の計画だけで図面化することなどなかったのでしょうね。
サッシ滑走リフォーム工事:既存サッシ加工跡
それを如実に表しているのがこの画像で、この切り込みです。
サッシ滑走リフォーム工事:既存戸車納まり図 サッシ滑走リフォーム工事:既存戸車納まり図
リフォーム前の戸車は、このようにサッシから出ていなく、サッシの溝内にすっぽり納まっています。
そのため、このように切り込み加工をせざるを得なかったのです。
最初からきちんと計画を立てておけば、こんな面倒な加工も必要なかったのに...。
まあ、どのみち樹脂製の戸車を使っていては結果は同じでしたが...。
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