
解体工事後台所 | ||
![]() |
1つ吊戸棚(矢印:緑)が外されて床に置いてありますが、これは壁の緑のところにあった吊戸棚です。 ダイニングの造作家具収納はそのまま再使用しますが、この吊戸棚の半分だけを再使用するためです。 外した扉も下に立てかけてあり、左の扉がL、右がRです。 この吊戸棚を現場で半分に加工して再使用しますが、扉は左開きにするので、Lの扉を使いRは処分します。 |
吊戸棚再使用 | ||
![]() |
ダイニングの既存造作家具収納は残すのですが、扉はダイノックシートを貼って新しいインテリアに色調を合わせます。 どうせダイノックシートを貼るのなら新規に吊戸棚を造った方が早いし、リフォーム費用も抑えられるのではと思われるかもしれませんが、まったくそんなことはありません。 この既存造作収納の扉はタモの突板を貼って、前週を3Rぐらい丸みを持たせてあります。 これを新たに製作すると現場での幅詰め加工よりリフォーム費用は掛かるうえ、他の扉と仕上がりが多少なりとも変わる可能性が大きいです。 それだったらあるものを加工してでも再使用した方が、日本人のもったいない精神にそぐっていると思います。 |
既存吊戸棚加工手順 | ||
![]() |
どのように加工するかと言いますと、左開きの扉にしたいので左吊元(丁番の受け座がある方)の側板(水色)を外して、センターの位置に移設します。 余った上板と底板をカットして、左吊元も扉を設置すれば完成です。 リフォーム店は数多くあれども、こんなことができるのは、自社の造作家具工場を持っているアイネックスだからこそなせる業と自負しております...。 |
吊戸棚のパーツ | ||
![]() |
吊戸棚を外した壁に金属板が2つ残っています。 リフォーム工事の関係者でも若い方は、これは何のためのものか知らないと思います。 |
吊戸棚取付金物 | ||
![]() |
このパーツは吊戸棚を仮止めしておくものです。 吊戸棚の背中にこの金物にフックさせる金物がついていて、まず吊戸棚をフックさせておき、隣接する吊戸棚と高さや出面を合わせてから本止めするためのものです。 このお家は築27年ですが、当時の造作家具やシステムキッチンの吊戸棚は全部この方法で施工していました。 いまではすっかり使われなくなり、現在は吊戸棚の中から直接壁にビスで固定するようになっています。 そのためこの金物を知らない職人や現場監督は、背中のビスを全部取ったのに吊戸棚が外せないと、力任せに引っ張った挙句、再使用するはずの吊戸棚が使えなくなったという事例もあるほどです。 私も伊達に年を取ってはいないのかもしれませんね。 |