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戸建住宅リフォーム施工事例

杉並区U邸~水回り住宅設備を全部新しく ・ オシャレな外壁・屋根にリフォーム

予 算  : 750万円
■主な工事
キッチン交換
ユニットバス交換
洗面台交換
便器交換+手洗器設置(2ヶ所)
和室を洋室に変更
下駄箱交換
玄関ドア交換
外壁屋根塗装
クロス貼替
照明交換・追加
ファブリック工事
開き戸レバーハンドル交換

和室を洋室にリフォーム~収納量があるクローゼットと物入がほしい 前編

リフォーム前和室:押入 リフォーム前和室:仏間
2階の和室を洋室にリフォームします。
リフォーム前の和室は、和室を洋室にリフォームする場合の課題が全部詰まっている典型的な和の造りです。
課題の一つ、奥行半間(3尺)の押入と仏間がありますが、ここをお客さまのご要望の通り、収納量があるクローゼットと物入にリフォームします。
収納量があるといっても、クローゼットの奥行は60cmもあれば十分で、それ以上は余剰の空間が生じてしまい、返って使いづらく、スペースの無駄使いにもなります。
和室を洋室にリフォーム:平面プラン
既存の押入より約25cm奥行を下げた位置にクローゼットと物入(可動棚収納)を新設します。
クローゼットと可動棚収納のそれぞれの幅は任意で設定できます。
プランにあるクローゼットと可動棚収納の幅は、お客さまと打合せのうえで決定したものです。
和室を洋室にリフォーム:収納部立面図 和室を洋室にリフォーム:収納部断面図
クローゼットと可動棚収納の奥行は60cmで、床はフロアーのフローリングが切れ目なく繋がります。
クローゼットの建具は折れ戸、可動棚収納の方は間口が狭いので、折れ戸にすると扉の溜りが邪魔になり使いづらくなるため観音開きの開き扉にします。
可動棚収納の可動棚は2cmピッチで高さを変更でき、後から棚板を増やすことも可能です。
リフォーム前和室:押入 リフォーム前和室:障子枠
次に解決しなければならない課題は障子です。
障子の縦枠は、このように上下とも横枠より延びています。
このツノがあっては、他でいくら頑張っても洋室になりきれません。
リフォーム前和室:障子下枠 リフォーム前和室:障子上枠
障子には更に課題があります。
障子枠の上下には、障子を滑らせるための溝が掘ってあります。
障子のはめ込みはケンドン式のため、特に上枠は差し込み用のため溝が深くなっています。
ケンドン式とは、まず障子を上枠の溝に差し込み、それから障子の下方を押し込むようにはめ込む方法です。
この障子枠を撤去するとなると大ごとになるため、障子枠はそのままにして、先ほどのツノや上下枠の溝の対策を考えることがリフォーム費用を抑えることになります。
和室を洋室にリフォーム:展開図
和室を洋室にリフォームする展開図です。
障子があったところには、カーテンレールを付けていないのが一般的です。
木枠にカーテンレールを取り付けるのではなく、カーテンボックスを新設する方がデザインも良く、遮光性や遮音性も高くなります。
カーテンボックスを新設する工事は、リフォーム費用に大きく影響することはありません。
課題の障子に関しては、下のように対策を取ります。
和室を洋室にリフォーム:障子枠の対策
ツノはカットして、上下の溝は単板を貼ってフラットにします。
障子枠のままでは和室の域を脱しないので、何かしら仕上げしをなくてはいけませんが、一般的にはダイノックシートを貼るか塗装をするかです。
今回リフォームはお客さまのご要望によりダイノックシートを貼りますが、長期的な見解では塗装の方がいいかもしれません。
塗装の場合は障子枠が経年により変色していますし、汚れもあります。
そのケースでの塗料は、素材を塗りつぶすオイルペイント(OP)で塗装します。
ダイノックシートは接着剤で貼り、OP塗装は塗料を接着剤で付着します。
両方とも接着剤を使用することでは同じですが、接着剤は有機質、すなわち樹脂なので必ず劣化して接着効果はいずれなくなります。

余談になりますが、以前に中央高速道・笹子トンネルの天井板が落下した悲惨な事故を覚えていますでしょうか。
原因は天井板を固定しているアンカーボルトが脱落したためです。
アンカーボルトはケミカルアンカーとう接着系アンカーを使っていました。
溶剤の入ったカプセルを天井板(コンクリート)に開けた穴に差し込み、アンカーボルトを打ち込んでカプセルを破壊することで、溶剤が化学反応を起こしアンカーを固定するというものです。
このケミカルアンカーが脱落したわけですが、要はどんなに優れている溶剤であっても、有機質のため必ず劣化するということです。

塗装が劣化したら、残っている塗料を撤去して再塗装するればメンテナンスも手間がかかりません。
しかしダイノックシートが劣化すると、パリパリになりあっちこっちに剥がれ箇所や空気が入って盛り上がる部分が出てきます。
そして均一に剥がしきれずに、ところどころにダイノックシートの端材が残ったり、接着剤が残ったりして扱いが悪くなります。
そのため、長期的にみたら塗装の方がいいかもしれないとさせていただきました。

和室を洋室にリフォームする場合の課題、最後は入口の開き戸です。
リフォーム前和室入口開き戸:和室側 リフォーム前和室入口開き戸:廊下側
開き戸は洋室にリフォームする部屋側とリフォーム対象ではない廊下側の両方のデザインや取り合いを考えなくてはいけません。
リフォーム前和室入口
和室側は畳の厚さ分高くなっているので、廊下との境に約50mmの段差があります。
せっかくリフォームするので、段差はなくしてバリアフリーにしたいものです。
■和室を洋室にリフォーム:入口床部断面図
平面プランのa部分の床部断面図です。
新規洋室の床は、畳を撤去したあとに9mmベニアを貼ってから、フローリングを貼ります。
開き戸の下に下枠を入れて、洋室側のフローリングと廊下の既存フローリングを見切ります。
これで入口の床はきれいに納まり、なおかつバリアフリーにもなるということです。